AIに渡せるのは作業で、渡せないのは責任だった

【考え方】AIに渡せるのは作業で、渡せないのは責任だった

こんにちは!たくお(@TB_IQ)です。

前回、開発をAIに任せて自分の仕事が「進捗確認・指示出し・動作検証」の3つになった、という話を書きました。

今回はそのうちの動作検証についてです。

先に結論から書きます。
検証はAIにやらせています。それでも、最後は自分の目で見ています。

なぜかというのを、うまく言葉にできずにいたんですが、最近すこし整理がついてきました。

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まず、AIはもうかなりのところまで検証できる

「テストは通っているが、画面は誰も見ていない」という状態は、もう作らなくて済む。見てほしいところを伝えれば、AIが画面を開いて確かめてくれる。ここまでは任せられる

ここを曖昧にしたまま話すと、精神論になってしまうので先に置いておきます。

  • ユニットテスト → 自動で書いて、自動で走らせる
  • ブラウザでの動作確認Chrome拡張を使えば、AIが画面を開いて確かめられる

「テストは通っているけど、画面は誰も見ていない」という状態は、もう作らなくて済みます
見てほしいところを伝えれば、見に行ってくれます。

ここまでは任せられる。 ここは断言していいと思っています。

では、なぜまだ自分で開いているのか。理由が3つあります。

1. 作業は渡せる。責任は渡せない

自分の手から離れたものと、残ったもの。AIに渡したのは「コードを書く・ユニットテスト・ブラウザでの動作確認・テスト仕様書の作成」。渡していないのは「何を見に行くか決めること・「なんか変」と思うこと・正しさの基準を持つこと・最後に自分の名前で出すこと」

いちばん身も蓋もないところから書きます。

実装は渡せます。テストも渡せます。検証も渡せます。
でも、出すのは自分です。

お客様は、AIに発注したわけではない

お客様が発注しているのは、人間(会社)です。AIに発注しているわけではありません。

これまでのやりとりとか、前に納めたものとか、
そういうものの上に「この人なら」という信用が乗って、発注をいただいています。

だとすると、「AIがやったので分かりません」は、
「外注先が勝手にやったので分かりません」と同じことになります。

無責任でしかない、と思っています。

問題が起きたときに、AIが謝るわけではないんですよね。
自分が謝ります。

だとすると、最後に一度は自分の目を通しておかないと、説明ができない
「AIが確認しました」では、たぶん通らないと思っています。

これは技術の話ではなくて、仕事の受け方の話です。

で、責任が残るとどうなるか。 見ないといけない場所が出てきます。
そこから先が、あとの2つです。

2. AIは問いに答えられる。問いを立てるのは、まだこちら

「なんか変」が問いになるまでの順番。1.違和感 → 2.理由が分かる → 3.問いになる。AIに渡せるのは問いになってから。それより前は、まだこちらの仕事

検証の指示は、言葉で渡します。
「ここを見て」「これが出ているか確かめて」——問いの形にして渡すわけです。

そして返ってきます。正確に、抜けなく。

でも、渡した問いにしか答えは返ってきません。

AIは、こちらが伝える前に進んでしまうことがある

AIもまだ完璧ではなくて、普通に間違います。
それより厄介なのが、こちらが伝える前に、勝手に判断して進んでしまうことです。

その結果、こっちの意図とは違うけど、AI的には最適という成果物が、平気で返ってきます。
本人(?)に悪気は無いので、余計にたちが悪い。

これを防ぐには、コンテキストと要件を先に渡しておくしかありません
ただ、渡すのは人間です。漏れます。

不具合を見つけるときのことを思い返すと、順番が逆なんですよね。
先に「なんか変やな」が来る。 理由が分かるのは、そのあとです。

この「なんか変」は、問いになる前の状態です。
問いになっていないものは、指示にできない。

AIが弱いというより、渡し方の問題なんだと思っています。
問いにできたものは渡せる。問いになる前のものは、まだ渡せない。

だからテスト仕様書も、自分で見ます

AIに作らせたテスト仕様書は、自分でチェックします。
ブラウザでの動作検証も、最後は自分でやります。

とはいえ、テスト仕様書が問題なければ、だいたいクリアしているんですよね。

なので、昔みたいに血眼になってバグを探すことは、ほぼ無くなりました
「一応、通ってるか見とくか」くらいの感覚に変わっています。

人間より、AIのほうが圧倒的に賢いと思っています。 これは本気でそう思っています。
ただ、弘法も筆の誤りと言いますし、AIだって間違うときは間違う

だから最後の1回は、自分で開いています。

3. 「正しい」の基準は、成果物の外に置いてある

「正しい」の基準は成果物の外にある。1.打ち合わせで出た話、2.これまでの関係とやりとり、3.「たぶんこう言われる」という予測。AIに渡せるのは成果物と指示だけで、その外側はまだ持っていってもらえない

そしてもう一つ。

「正しく動いている」の中身って、コードの中には書いていないんですよね。
打ち合わせのやりとりとか、これまでの関係とか、そのへんに散らばっている。

「たぶんこう言われる」「この見せ方だとあの人は嫌がる」——
仕様書には無いけど、判断の材料としては確実にあるやつです。

AIに渡せるのは、成果物と指示だけです。
その外側にあるものは、まだ持っていってもらえません。

だから最後に見るのは、打ち合わせに出ていた人間になります。
これは能力の差ではなくて、居合わせたかどうかの差なんだと思います。

「動作確認しました、問題ありません」は、報告であって成果ではない

検証は問題を見つけるためにやる。「確認しました、問題ありません」で終わるのではなく、決めていないものを見つけにいく。決めた項目を決めたとおりに見るのはAI、決めていないものを見つけにいくのが人間

言葉の話を1つだけ。

「確認しました、問題ありません」というのは、何も見つからなかったという報告です。
悪いことではないし、必要な報告です。ただ、成果ではない

検証は、問題を見つけるためにやる作業だと思っています。
見つからなければそれでいい。見つかったら、それが成果になる。

決めた項目を、決めたとおりに見るのはAI。
決めていないものを見つけにいくのが、いまのところ人間。

境目はここにある気がしています。

で、人間はコードを理解しておく必要があるのか

書く量は明らかに減りました。書き方も忘れつつあります。
その部分はAIのほうが正確なので、戻す気もありません。

一昔前なら、人間がコードを理解しておく必要があると思っていました。
でも正直、ここまでAIが優秀になった今、理解しておく必要は無いと思っています。

ただ、「必要は無い」と「しなくていい」は別です

必要は無いけど、理解しておいたほうがベター。 いまの結論はここです。

理由はひとつで、将来AIが使えなくなる可能性が、無きにしもあらずだからです。

規制で禁止されるかもしれないし、そこまでいかなくても、
この案件では使うなと言われることは普通にありえます。

そのときに、AIが作ったものを人間が誰も分析できないとなったら、そこで止まります。
自分が書いていないコードが、自分の名前で世に出ている状態なので。

だったら、分かる状態にしておいたほうがいいよな、と。

残っているのは、書く力ではないのかもしれない

こうやって並べてみると、そんな気がしてきます。

どこを見に行くかを決めること。おかしいと思えること。最後に自分の名前で出すこと。
このあたりは、コードが書けるかどうかとは、別の話のような気がしています。

とはいえ、書けなくなった人間がそれを言うのは、都合がよすぎる気もしていて。
そこはまだ、答えが出ていません。

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まとめ

まとめ4点。検証はAIに任せている/それでも最後の1回は自分で開く/お客様は人間に発注している/コードの理解は必要ではないが、ベター。作業は渡せる、責任は渡せない
  • 検証はAIに任せている。 ユニットテストも、ブラウザでの動作確認ももう任せられる
  • それでも、最後は自分の目で見ている。 理由は3つ
  • 作業は渡せるけど、責任は渡せない。 お客様が発注しているのは人間(会社)で、AIではない
  • AIは問いに答えられる。問いを立てるのは、まだこちら。「なんか変やな」は問いになる前なので渡せない
  • ただしテスト仕様書が問題なければ、だいたいクリアしている。 血眼になって探すことは無くなった
  • 「正しい」の基準は、成果物の外に置いてある。 打ち合わせや、これまでの関係のほうに散らばっている
  • だから最後に見るのは、打ち合わせに出ていた人間になる。能力の差ではなく居合わせたかどうかの差
  • 「確認しました、問題ありません」は報告であって、成果ではない。検証は問題を見つけるためにやる
  • 人間がコードを理解しておく必要は無い。 ただし理解しておいたほうがベター
  • 理由は、将来AIが使えなくなる可能性が無きにしもあらずだから

というわけで、次回もよしなに!


相談を受けています

VanCreateという屋号で、WEBサイト制作・システム開発・アプリ開発をやっています。

AIに任せる形での進め方についても相談を受けています。

  • AIにどこまで任せられるのか、うちの場合はどうなのか
  • 何から手をつければいいのか

こういう、まだ形になっていない段階の話でも大丈夫です。

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